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関節リウマチ

関節リウマチ(RA)とは

関節リウマチ(RA)とは

関節炎を主徴とする慢性炎症性疾患です。
外部から体内に侵入して来た細菌やウィルス等から身体を守る防衛軍である免疫系が、自分自身の細胞や組織を攻撃する事によって起る「自己免疫疾患」の一つなのです。日本におけるRA患者数は約70万人で、有病率は0.5%程度とされており、女性に多く(男性の4倍)、どの年齢でも発症しますが、特に30~50歳代に多くみられます。
関節炎が遷延すると関節破壊により機能障害をおこし、著しく日常生活の質が低下します。
またRAが進行すると肺などの臓器病変や、感染症の合併などによって生命予後も悪化していきます。
2000年以降RAの治療は大きく進歩し、新薬も次々に開発され「RA症状が消失した状態」を目指し、更にその状態を維持出来るようになって来ました。関節破壊の進行は罹患後1年以内のスピードが早いとされているので、早期治療が大切です。

RAにおける関節破壊の経時変化

関節破壊の経時変化(海外データ)
関節破壊の経時変化(海外データ)

関節リウマチの症状

初期症状は、関節の炎症に伴うこわばり、腫れと痛み、発熱等です。病気が進行すると、関節の軟骨や骨が破壊され、関節の変形や脱臼が生じます。さらに関節破壊が進むと、生活をする上での機能障害に発展します。

関節リウマチの診断

2010年に発表されたACR/EULAR関節リウマチ分類基準を基本としますが、鑑別診断をしっかりと行う事が大切とされています。

2010年ACR/EULAR 関節リウマチ分類基準

  • 少なくとも1つ以上の明らかな腫脹関節(滑膜炎)があり、他の疾患では説明できない患者がこの分類基準の使用対象となる
  • 合計点で6点以上でRAと分類
1. 腫脹または圧痛のある関節数
大関節1 0点
大関節2~10 1点
小関節1~3 2点
小関節4~10 3点
1つの小関節を含み11関節以上 5点
2. 自己抗体
RF、抗CCP抗体が共に陰性 0点
RF、抗CCP抗体のいずれかが弱陽性 2点
RF、抗CCP抗体のいずれかが強陽性 3点
3. 炎症反応
CRP、ESRが共に正常 0点
CRP、ESRのいずれかが異常高値 1点
4. 罹病期間
6週未満 0点
6週以上 1点

関節リウマチの治療法

基礎療法

適度な運動と安静の維持、栄養バランスの良い食事等を日常的に心掛ける事が大切です。身体の冷えに注意し、睡眠を十分に取りましょう。お酒や煙草は控えましょう。外出時にはマスクを着用し、帰宅時には手洗いとうがいを忘れずに。インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの予防接種を受けましょう。

薬物療法

非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)、副腎皮質ホルモン(ステロイド薬)、抗リウマチ薬(DMARDs)、生物学的製剤、JAK阻害剤を単独、又は組み合わせて行います。抗リウマチ薬の一つである、メソトレキセート(リウマトレックス)を基本薬とすることが多いです。抗リウマチ薬(DMARDs)、生物学的製剤、JAK阻害剤は免疫を調節又は抑制するので、帯状疱疹をはじめとする感染症に注意を払う必要があり、万が一感染症発症の際には休薬しなければなりません。

抗リウマチ薬の種類

予後不良因子の有無により 薬剤を変更、追加
予後不良因子の有無により 薬剤を変更、追加
  • MTX禁忌の場合は、他の従来型DMARDを使用
  • 短期間のステロイド併用

日本で使用できる生物学的製剤

構造 標的分子 一般名
完全ヒト型可溶性TNF受容体融合蛋白 TNF-α、LTα エタネルセプト
キメラ型抗TNF-α抗体 TNF-α インフリキシマブ
完全ヒト型抗TNF-α抗体 TNF-α アダリムマブ
完全ヒト型抗TNF-α抗体 TNF-α ゴリムマブ
ペグヒト化抗TNF-α抗体 TNF-α セルトリズマブ ペゴル
ヒト化抗IL-6レセプター抗体 IL-6受容体(IL-6) トシリズマブ
ヒトCTLA-4融合蛋白 CD80、CD86(ナイーブT細胞) アバタセプト

従来のDMARDに対する生物学的製剤の利点

  生物学的製剤の特徴
効果の発現 効果の発現が速い
効果の持続 効果が継続する。
疾患のコントロール 疾患のコントロールが良好。
QOLの改善 患者さんの"well-being"(健康感)やQOLを改善する。

Treat to Target(T2T)のアルゴリズム

Treat to Target(T2T)のアルゴリズム

日本リウマチ学会:関節リウマチ診療ガイドライン

治療アルゴリズム 1

治療アルゴリズム 1

治療アルゴリズム 2

治療アルゴリズム 2

治療アルゴリズム 3

治療アルゴリズム 3

手術療法

増殖した関節の滑膜を取り除く滑膜切除術、破壊された関節表面を取り替え機能再建を目的とした人工関節手術が行われる事が多いです。破壊された関節を固定する関節固定術や、切れた腱を治す手術も手指で行われることがあります。

リハビリテーション

関節の動く範囲を広げ、血液の流れを良くして痛みや筋肉のこわばりを取るための運動療法、患部を温めて痛みやこわばりを和らげる温熱療法等があります。

利用出来る制度

医療保険制度

高額医療費制度: 医療費の自己負担が一定額を越えた場合は、その越えた額が「高額医療費」として医療保険から支払われます。
高額医療費貸付制度: 高額医療費の見込額の8-9割を貸し付ける制度です。
傷病手当金: 病気や怪我で働けず給料をもらえない時に支給される制度です。

介護保険制度

身体の機能が衰え、日常生活に支障が生じた方に介護サービスを提供する制度です。

障害者福祉制度

身体障害者手帳の交付を受ける事で、医療費の軽減や手当の支給、福祉サービス等が利用出来ます。

医療費控除

本人や家族分を含めて、1年間に自己負担した医療費(治療上必要なもの)が一定額を越える時、税務署に確定申告すると納めた税金の一部が戻ってくる制度です。

障害者総合支援法

障害者手帳を所持していなくても、障害福祉サービス・相談支援・補装具及び地域生活支援事業が受けられる。
窓口は市町村障害福祉担当

公益社団法人 日本リウマチ友の会

RAの長期療養生活の中で、精神的、経済的、社会的に多くの問題を抱えた患者が、「リウマチに関する啓発、リウマチ対策の確立と推進に関する事業を行い、リウマチ性疾患を有する者の福祉の向上に寄与する」事を目的に、1967年に発足した。リウマチ患者が安心して治療を受け、安心して生活できる療養環境を整えていくための活動を行っている。

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