埼玉県越谷市|レイクタウン整形外科病院|どうにもならない肩関節、肩の痛み、

肩関節

はじめに

はじめに

肩関節は体重がかかりませんので、軟骨がすり減って生じる変形性関節症が少ない関節です。筋バランスが重要な関節ですので体幹と肩甲骨周りを調整する事で痛みが改善する事も多いのですが、病状が進行しないとレントゲンでの異常が目立たないため、漫然とリハビリを受けていることもあるようです。当院では早期にMRIや超音波の画像診断を行うことで診断を確定し、病態に合わせた機能リハビリを行っています。それでも改善しない腱板断裂や、半年以上続く夜間痛を伴う凍結肩(五十肩、肩関節周囲炎)には手術も提案しますが、その場合でも体への侵襲の少ない術式を提案しています。脱臼が癖になっている反復性肩関節脱臼に関しても関節鏡を用いた関節唇修復術(バンカート修復術)を行い、良好な成績が得られています。麻酔科医とも協力し、術後の痛みと嘔気を極力少なくできるように工夫しています。

凍結肩(五十肩、肩関節周囲炎)

症状

時に軽微な外傷の繰り返しにより起きるとされていますが、多くは原因がありません。
「動かさなくてもしんしん痛い」「肩が上がらない」などの症状で来院されます。

※凍結肩では正常肩に比べて関節包の広がりが悪いです。

正常肩
正常肩
凍結肩
凍結肩

治療

およそ半年から2年ほどで自然経過されますが、7年経過しても半数の患者様に痛みや可動域制限が残っていた報告もありますので適切な治療を受けることが重要です。
症状に合わせた日常生活指導、理学療法、補助的な薬物療法を行いますが、半年近く緩和されない頑固な痛み、可動域制限に対して手術を行うこともあります。

手術

全身麻酔下に関節鏡を用いて固くなった関節包、靭帯などを剥がし関節の動きをスムーズにします。

  1. 関節包が縮んでいるため関節が広がりません。
    関節包が縮んでいる
  2. 固くなった関節包を切離していきます。
    固くなった関節包を切離
  3. 全周性に切離することで全方向の可動域を獲得できます。
    全方向の可動域を獲得全方向の可動域を獲得
術前

腕は肩より高くあがらないのが、ハッキリとわかります。

術前術前術前
術後

術前画像と比べ可動域が広がっています。

術後術後術後

腱板断裂

症状

「動かさなくてもしんしん痛い」「肩が上がらない」などの症状であり凍結肩との鑑別が必要です。時に「五十肩」と診断され電気治療やマッサージ等を長期間受けている場合があります。引っかかるような痛み、ごりごりする、力が伝わらないなどは腱板断裂に特徴的症状です。

治療

理学療法で残存した腱板機能を改善させることにより症状が改善することも多いです。痛みの強い時期は関節注射や投薬などで安静にし、病状に応じて可動域訓練や腱板機能訓練などの理学療法を行います。断裂部分が挟み込まれたり、引っかかるような状態だと保存治療で改善しない事もあり手術治療も考慮されます。

手術

全身麻酔下に関節鏡を用いて断裂した腱や固くなった靭帯、引っかかりの原因にもなる余計に尖った骨などを整え、後に吸収され骨に置き換わる糸付きアンカーを用いて腱板を縫合します。腱板断裂は大きさ、断裂形態、痛みの原因が多様な病態です。当院では今までの実績を活かし多くは関節鏡での1時間半ほどの手術で良好な成績を得られていますが、時に断裂径が大きい場合は大腿の筋膜を移植する方法、人工関節置換を行うこともあります。

  1. 断裂した腱を元の位置に縫合していきます。(断裂した腱板を上腕骨大結節へ引っ張り縫う)
    断裂した腱を元の位置に縫合断裂した腱を元の位置に縫合
  2. 断裂した腱が修復されています。
    断裂した腱が修復
術前

断裂した腱板断端が内側に引き込み上腕骨大結節との連続性がないため関節液が溜まり白くなっている。

術前
術後

腱板が大結節と連続し関節液の貯留がない。

術後
広範囲な腱板断裂の場合は修復できないこともあり人工関節が行われることがあります。
比較的早期に除痛と良好な関節機能が得られる安定した手術です。
術後術後術後

石灰沈着性腱炎

症状

急性期症状と慢性期症状に分けられます。急性期症状は急激に発症し強い痛みがあるため「昨日から痛くて寝られないし、うごかせません。」と、来院されます。レントゲンで腱板に石灰(カルシウム)が沈着していることが確認されます。慢性期症状は自然吸収されなかった石灰が肩の動作時に引っかかり生じます。動かすとぶつかるようにコクンと痛い、痛くて動かせない、夜間痛む等の症状があります。

石灰により腱が腫脹しぶつかり挟まる原因になっています。
石灰により腱が腫脹しぶつかり挟まる原因石灰により腱が腫脹しぶつかり挟まる原因

治療

急性期の場合は安静、投薬、関節注射で改善が見られることが多いです。慢性期の場合は通常数カ月の保存加療を行いますが、沈着した石灰の場所により明らかに屋根や靭帯とぶつかる場合は関節鏡で切開摘出を行います。

手術

以前は関節鏡でも腱を大きく切開、切除し縫合していましたが、近年は更に低侵襲になるよう、関節鏡視下に炎症性の滑膜を切除した後、石灰部を同定し注射針などによる排出を行っています。通常一時間弱、数日の入院で対応できます。

反復性肩関節脱臼

症状

転倒やスポーツ時の接触などで関節が脱臼すると関節の受け皿と骨頭を繋ぐ靭帯が断裂したり、骨欠損を生じます。脱臼が整復されるとある程度は動くようになりますが、ふとした時に再度脱臼してしまいます。例えば20歳代の外傷性脱臼は約8割が癖になります。脱臼時に骨折を伴っていることも多くCT、MRIで初期評価することも重要です。

脱臼してしまうのを防ぐために赤線のラインに沿い土手を作り、滑らないようにさせます。
脱臼してしまうのを防ぐために赤線のラインに沿い土手を作る脱臼してしまうのを防ぐために赤線のラインに沿い土手を作る

治療

理学療法も重要ですが脱臼する道ができてしまっているため手術治療が有効です。

手術

全身麻酔下に外れてしまった靭帯を元の位置に引き上げ再度緊張をかけて縫合します。大きな骨欠損がある場合にはそれを修復します。関節の受け皿がおよそ1/4以上欠損してしまっている場合には関節鏡で修復するか通常の切開手術を行うか相談し治療方針を決定するようにします。通常の関節鏡手術は1.5時間ほどで1週間の入院で行っていますが、学業などにより数泊で行うこともできます。3週間の三角巾固定が必要で、3ヶ月は安静にして頂きます。

術前に骨欠損量を評価し、断裂した靭帯を縫合します。
断裂した靭帯を縫合