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脊椎

当院で診療する脊椎疾患の症状(腰・首の痛みでお悩みの方)と治療

腰痛、手足のシビレ感、手足の運動障害・麻痺、歩行障害、下肢痛、頚部痛・肩こりなどの症状がある方は、脊椎に原因がある疾患である場合が考えられます。

側弯症

主な症状について 脊椎で起こる主な疾患 脊椎に起こる疾患の治療について

主な症状について

腰痛 手足のシビレ感 手足の運動障害・麻痺 歩行障害 下肢痛 頚部痛・肩こり

腰痛

腰痛は、日常生活の中でとても頻繁に見られる症状で、日本人の多くがこの痛みに悩まされており、国民病とも呼ばれています。

原因はひとつではなく、いろいろなことが重なることで腰痛となります。
最もよくみられるのが、腰椎(腰骨)の一部である椎間板や椎間関節と呼ばれる部位の退行性変化(老化)によって起こるものです。これに不良(悪い)姿勢が重なると腰痛がさらに起こりやすくなります。

その他、腰痛の原因となる特別な病気として、腰椎椎間板ヘルニア、脊椎分離症・すべり症、腰部脊柱管狭窄症などがあげられます。また、場合によっては、悪性腫瘍(癌)の転移、化膿性脊椎炎、脊椎カリエス(結核)、外傷(圧迫骨折など)による症状で起きるということも考えられます。

一般的な腰痛の経過はわりと良好で、1~2週間で痛みは和らいでいきます。
しかし、起き上がれないほど激しい痛みがある、痛みが長引き快方に向かわない、腰痛以外に下肢症状(足の痛み・しびれ)が出る場合などには特別な病気の可能性があるので注意が必要です。

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手足のシビレ感

手足のシビレは脊髄や末梢神経が傷ついておきる現象で、脊髄の病気や坐骨神経痛で発生します。同様のシビレは、肩こりや頚肩腕症候群、肘の腱鞘炎、下肢の筋肉痛などでも一時的に感じることがありますが、これらの場合はしばらく様子を見るだけで構いません。

この他にもシビレ感が見られる疾患や症状には、糖尿病やある種のビタミン欠乏症、遺伝性感覚欠損、閉塞性動脈硬化症(歩行すると足がシビレる)などもあります。これらの場合は内科的治療などが必要です。

一方、脊髄や坐骨神経が圧迫されることでシビレ感や感覚障害が発生する疾患(頚椎症、後縦靱帯骨化症、脊髄腫瘍、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症など)では、脊椎脊髄病専門の整形外科的診断と治療が必要です。

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手足の運動障害・麻痺

手や足に運動障害や麻痺がみられる場合、その特徴や徴候から以下のような障害が考えられます。

手がしびれて、上手に動かせない、あるいはものがつかめない。もっと具体的に言えば、箸が使いにくくなった、ボタン掛けがしにくくなった、財布から硬貨を取り出しにくくなった、などの症状は、手指の巧緻運動障害であり、これは頚髄障害の重要な徴候です。また、肩を挙げたり、肘を曲げたりする力が弱くなった、握力が弱くなった、などの筋肉の力が弱くなる症状も、筋力麻痺によるもので脊髄神経障害のひとつではないかと思われます。

足については、歩きが不安定でよろける、階段を下りる時に手すりが必要、つま先立ちができにくくなった、スリッパが抜けやすくなった、などの症状がみられる場合は重要な脊髄障害の徴候です。

これらの運動障害・麻痺の主な原因は、脳あるいは背骨の中を通っている脊髄神経、または脊髄から枝分かれしている脊髄神経根の障害によるもので、頚椎症、後縦靭帯骨化症、黄靱帯骨化症、脊椎腫瘍、脊髄腫瘍、椎間板ヘルニア、腰椎分離症、腰椎すべり症、腰部脊柱管狭窄症などで現れます。

これらの症状が、何のきっかけもなく起こり、次第に強くなっている場合は、早期の治療を開始する必要があります。

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歩行障害

歩行障害の原因は、下肢の病気とそれ以外の病気に分けて考えることができます。

下肢の病気としては、関節の変形が代表的なもので、関節痛が主な特徴です。一方、下肢以外の病気による歩行障害は、背骨の病気による神経障害と下肢の血流障害が主な原因です。通常は、神経障害による歩行障害が多く、殿部から下肢の後面を通り下腿部の下まで放散する痛みとしびれで歩くことができなくなります。

しかし安静時には全く症状が無いので、治ったと思いまた歩くと痛みやしびれがでて長く歩くことができなくなります。このように歩行と休息を繰りかえす歩行障害を間欠跛行といいます。この間欠跛行は、腰部脊柱管狭窄による神経障害や閉塞性動脈硬化症による血行障害の特徴的な症状でもあります。

歩くと下肢が痛い・しびれるといった症状があるときには受診をお勧めします。

これらの症状が、何のきっかけもなく起こり、次第に強くなっている場合は、早期の治療を開始する必要があります。

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下肢痛

下肢(脚部)の痛みの原因には、下肢の関節障害や、骨・筋肉に異常がある場合もありますが、腰からの神経が原因となっている場合も少なくありません。特に長時間の立位や歩行時に下肢痛を感じる場合は、腰部脊柱管狭窄症(腰の神経の通り道である脊柱管が狭くなっている状態)や腰椎椎間板ヘルニアなどの腰の疾患に起因していることが多いので、整形外科専門医を受診する必要があります。

さらに寝ている時にも下肢痛が認められるという方は、背骨の腫瘍や神経の腫瘍、炎症などを合併していることも考えられますので、脊椎脊髄病専門医の診察を受けるようにしてください。

また腰痛に下肢痛を伴っている場合は、正確な診断を受けた上で治療を行えば早く痛みを直すことにつながります。特に足の力が入りにくい、排尿や排便が以前と違うといった症状がある場合には、神経の麻痺がすでに生じています。診断や治療が遅れると麻痺が治らないこともありますので、この場合も速やかに受診されることをお勧めします。

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頚部痛・肩こり

頚部痛や肩こりは、若い世代からお年寄りまでの幅広い年齢層で認められる症状です。平成25年の厚生労働省の報告によると医療機関を受診する原因として、女性では1位、男性では腰痛に次いで2位となっています。なお、その原因には様々なものがあり、年齢によっても原因が異なっています。

女性の場合は、なで肩の方に多く、生活習慣、作業姿勢や環境などが関係しています。若い方の場合は筋肉の血行障害や疲労、関節の炎症によるものが多く、中・高齢者の場合は頚椎(首の骨)や肩関節などの加齢性変化(老化)によるものが多いと言われています。

また、うつ病、内臓由来の関連痛、眼科疾患、耳鼻咽喉科や歯科疾患が関与していることもあります。このほか整形外科疾患としては頚椎椎間板ヘルニア、頸椎症性脊髄症、後縦靭帯骨化症、悪性腫瘍(癌)の転移などの疾患が原因となっていることがあり、そのまま放置すると手足の麻痺などの重篤な症状へと進行していくこともあります。

したがって、症状が持続する場合や手足のシビレ、手の使いにくさ(巧緻運動障害)、歩きづらさ(歩行障害)などを自覚した際は整形外科専門医を受診し原因をしっかりと調べることが必要です。原因をはっきりさせることで適切な治療法にのぞむことができ、場合によっては劇的な症状の改善が得ることもあります。

頚部痛や肩こりは「治らないもの」、「たいしたことのないもの」として放置せず、正しい診断に基づいた適切な治療を受けることが大切です。

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脊椎で起こる主な疾患

実際に診療をしないことには、診断をすることは難しいですが、腰痛、手足のシビレ感、手足の運動障害・麻痺、歩行障害、下肢痛、頚部痛・肩こりなどの症状を呈している場合の整形外科領域の疾患についてご紹介いたします。

部位 疾患
腰椎・腰(こし) 腰椎椎間板ヘルニア 腰部脊柱管狭窄症 腰椎変性すべり症 腰椎変性側弯症
頚椎・首(くび) 頸椎椎間板ヘルニア頚椎症・頚髄症
その他 骨粗鬆症・脊椎圧迫骨折

当院では、上記に記載のない整形外科領域の疾患であっても、もちろん診療を行っております。しかし患者様へ最適な医療を提供するために、脊椎を専門に診療する医師がいる際にご来院いただくことをお勧めしております。

脊椎に起こる疾患の治療について

当院では、患者様の状態や疾患によって日常生活での注意事項をはじめ、運動療法、内服・外用薬療法、装具療法、理学療法などの保存療法をご提供しております。
以下の保存療法もご参考になさってください。

腰痛症に対する保存療法 腰部脊柱管狭窄症に対する保存療法 頚椎疾患の保存療法

保存療法を行っている患者様へ

これらの保存療法は全ての方に同様に有効というわけではありません。 ご本人に合った治療を担当医の先生と相談しながら進めることが重要です。

また、治療効果が不十分のまま漫然と継続すべきではありません。 明らかな筋力低下、筋肉の痩せ、歩行障害、書字、つまみ動作の不具合などの症状がある場合は手術が必要なこともあるため、早めに受診し、MRIなどの精密検査を行うことをお勧めします。