変性すべり症は、腰の骨(腰椎)が前後にずれてしまう病気で、中年以降の女性に多く見られ、第4番目の腰椎によく認められます。 原因は明らかではありませんが、ほとんどは加齢とともに腰椎の椎間板や関節・靭帯がゆるみ、腰椎が不安定性(ぐらつき)を伴ってずれるようになり、脊柱管(神経の通り道)が狭窄することで神経が圧迫されていきます。これにより腰痛や下肢の痛み・しびれが生じるのです。 腰椎変性すべり症の症状 進行とともに症状は変化し、初めは腰痛が主体です。 しかし、さらに進行すると脊柱管の狭窄による間欠跛行(長い距離を歩くと痛み・しびれが強くなり、しゃがみこむと症状が軽減する)が認められたり、末期になると安静時にも下肢の痛みやしびれが出現するようになります。 腰椎変性すべり症の治療 この疾患の治療は保存療法が原則です。腰痛が強い場合は、コルセットを装用し日常生活で腰に負担のかかる動作を避け安静にすることに努めてください。そして消炎鎮痛剤などを内服し、痛みが軽減してきたら腰部のストレッチングや筋力訓練を行います。 保存療法で改善の得られない症例では除圧術や脊椎固定術などの手術が必要となることがあります。適切な治療が行われれば、治療後の経過は比較的良好ですので、お早めに診察を受けるようにしてください。 腰痛症に対する保存療法