足関節外側靭帯は、足関節の外くるぶしの下端についている3つの靭帯で、前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯です。
足首のねんざは、もっとも発生頻度の高いスポーツ外傷のひとつで、主にはジャンプの着地時やステップ動作時に発生します。また、日常生活動作でもしばしば発生し、階段やでこぼこ道で足を踏み外しが主な受傷メカニズムです。
足首のねんざで起こるケガは、足を内側にひねって発生する外側靭帯損傷がもっと多く、最も損傷されやすいのが前距腓靭帯で、同時に踵腓靭帯が損傷されることも少なくありません。外側靭帯損傷の受傷度は、主には損傷靭帯の本数と損傷傷度(部分断裂か完全断裂か)といった要因で決まりますが、 総合的な重症度に合わせて治療方法を選択します。

足関節外側靭帯断裂(捻挫)の症状と治療
重症の靭帯損傷では、受傷直後から痛みが強く、関節内や皮下の出血に伴い高度な腫れも起こり、歩行困難となります。
靭帯損傷自体がそれほど重症でなくても、無理してスポーツ活動を継続すると,炎症が増悪して痛みや腫れが高度化し,後になって歩行困難となることもあります.したがって,足首をひねって痛みや腫れが起きた場合は,まず活動を中止して足首を休めることが重要で,痛みや腫れが強ければ包帯や添え木を用いた外固定や患部の冷却といった応急処置も行い,できるだけ早くに整形外科を受診することをお勧めします.
初回の受傷では初期に外固定をしっかりと行い自然修復を待ちます。
しかしながら、繰り返す慢性化した場合は、外科的治療をお勧めしております。
近年では、靭帯が残存している場合は、関節鏡下に靭帯縫合を行うことが可能になり、傷も小さく行えます。運動復帰は2ヶ月を目標としております。
靭帯が残存していない場合は、独自に開発した膝裏のハムストリング腱を再建靭帯とした靭帯再建術を行い、良好な治療成績を残しております。
足関節外側靱帯損傷を放置すると何が起こるのか?
足関節外側靱帯損傷を治療せず放置した場合、不安定感や、骨棘の形成、関節軟骨損傷、変形性足関節症へと症状が進んでしまう可能性があります。
たかが捻挫と放置されず適切な治療を行いましょう。
不安定感
靭帯の機能が不十分な状態になり、関節の安定性が失われます。
足関節不安定症となってしまった段階から保存治療でギプス固定をしたり、手術によって靱帯を縫合して修復術を実施するなどの治療が必要となります。

骨棘の形成
脛骨下端と距骨があたることで擦れを起こし骨軟骨損傷となります。そのため増殖性の骨変化が生じます。
そうして本来存在しない骨棘ができてしまいます。

関節軟骨損傷
足関節の軟骨損傷は、足関節の土台にある距骨の軟骨に亀裂や、はがれてしまう障害です。
靭帯の損傷が完治しない状態で負荷をかけた場合、靭帯が緩いままになってしまうことで捻挫を繰り返す原因になります。
関節が不安定なまま足関節外側靱帯損傷(捻挫)を繰り返すと、関節軟骨も損傷し、将来的に足首の変形をきたす変形性足関節症になる可能性があります。
