
原発性骨粗鬆症の診断基準(2012年度改訂版)では、以下の様に定義されています。
脆弱性骨折あり |
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脆弱性骨折なし |
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骨粗しょう症の検査
当院では、問診、骨密度検査、レントゲン検査、血液・尿検査を行います。骨密度検査は、骨の健康を知るために重要な情報となります。 特に50歳以上の女性は、症状が無い場合でも定期的に骨密度を測ることを推奨しています。
問診
現在の症状以外にも、閉経時期や病歴、食生活・運動などの生活習慣、ご家族に骨粗しょう症の方がいらっしゃるかなどを問診します。
骨密度検査(※1)
低エネルギーの2種類のX線を使用し測定します。 一般的に腰椎や大腿骨近位部(脚の付け根)の骨密度を計測します。
レントゲン検査
主に胸椎・腰椎の撮影をし、骨折や変形の有無、骨粗鬆化(※2)の有無を確認します。
血液・尿検査 (骨代謝マーカー)
骨代謝の速度がわかります。骨代謝マーカーの値が高い場合、骨密度の低下速度が速いため、骨密度の値に関係なく骨折の危険性が高くなります。
※1 骨密度検査:DEXA(デキサ)法
当院ではDEXA(デキサ)法:X線骨密度測定器を導入して骨密度検査を行っております。 Dual Energy X-ray Absorptiometryの略です。また超音波法、MD法、CT法などの骨密度検査と比較して精度の高い検査方法とされています。検査は、撮影台に横になるだけで、痛みもなく短時間の検査です。

※2 骨粗鬆化
骨粗しょう症になると骨に鬆(す)が入った状態になります。

骨密度と骨質が大切です!
骨粗しょう症は、骨密度の低下と骨質の劣化、その両方が影響しあって骨折リスクが高まる病気といえます。
骨粗しょう症は、骨密度が低下することで骨折しやすくなる病気とされていました。そのため骨粗しょう症の予防については、骨密度を保つ(高める)ことを中心に考えられていました。
しかし、骨密度が正常範囲の値である方でも骨折リスクの高い人がいることがわかり、原因を調査した結果、骨質に違いがあることが明らかになり、骨粗しょう症の定義が「骨強度が低下し、骨折しやすくなる骨の病気」とあらためられました。骨強度は骨密度が70%、「骨質」が30%関係しているとされるようになりました。
骨質は以下から判定します。
- 骨の微細構造
- 骨の新陳代謝の速さ
- 微小骨折の有無
- 石灰化の密度