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肩腱板断裂(腱板損傷)

肩関節は三角筋などのアウターマッスルとインナーマッスルである腱板(棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋)が協調することによって動きます。

肩関節は上腕骨頭の大きさに対して受け皿である肩甲骨の関節窩が小さいため、不安定な関節であると言われています。
腱板は、その不安定性を補うために肩関節を包み込むことによって関節の安定性を増やす役割もしています。そのため、腱板が切れてしまうと関節が不安定な動きをして痛みを引き起こしたり、断裂が大きくなると腕を上げられなくなったりしてしまいます。

腱板断裂の原因

腱板が断裂するはっきりとした原因はまだ明らかになっていませんが、一般的には普段の姿勢や使い方に加齢性の変化などが重なることによって、徐々に腱板が擦り切れてしまうことが多いです。

スポーツにおいては、転倒などによる外傷性断裂だけでなく、繰り返しの投球動作やテニス、バドミントンなどのオーバーヘッド動作が原因となって腱板断裂が起こることがあります。

腱板断裂の症状

症状は、腕を挙げたり後ろに回したりした時の動作に伴う痛みや、痛みによって腕を上げづらくなることがあります。また、夜寝た時に痛みがひどくなる「夜間痛」も特徴的な症状で、睡眠不足も重なってしまい日常生活が困難になることもあります。

腱板の断裂が重症になると、痛みはないものの腕を上げる力が出ないことによって、一見、麻痺のように腕を動かせなくなる状態(偽性麻痺)になることがあります。

肩の痛みが出ると、はじめは五十肩と思われたり診断されたりすることがありますが、その中には実は腱板が切れていた、という方も少なくありません。
症状だけで腱板断裂か五十肩か判別するのは非常に難しいため、肩の痛みが続く場合には専門医の受診をお勧めします。

腱板断裂の経過

腱板は切れていても痛みなどの症状がなく、断裂していることに気がつかない場合もあります(無症候性断裂)。しかし、腱板断裂は自然に治癒することはないと言われているため、痛みが出ている場合には積極的な治療が必要となります。

腱板断裂は小さい断裂から始まり、徐々に大きくなっていくと言われています。しかし、断裂のサイズが小さいからといって軽症であるわけではなく、むしろ小さい断裂の方が痛みなどの症状が強いこともあります。また、断裂が大きくなると修復が困難になったり、手術後の経過が良くなくなってしまう可能性があるため、患者様の年齢、症状、職業、断裂の具合などを考え、適切な治療を適切なタイミングで考えなくてはなりません。

腱板断裂の検査

レントゲンでは腱板自体は写りませんが、腱板断裂に伴うことの多い肩甲骨の肩峰の骨棘の有無や、上腕骨が上がっていないか(骨頭の上方化)などを確認します。

腱板断裂を正確に診断するにはMRIが有用ですが、超音波でも断裂の有無を確認することができます。

腱板断裂の治療

保存療法

痛みを抑えるためには、鎮痛薬や注射が有用です。しかし、これらの治療で断裂が治ることはありません。

腱板断裂の原因として肩甲骨の固さが大きく影響していることが多いため、リハビリテーションによって機能を改善させることも有用です。
自分でできる正しいエクササイズを身につけて、習慣付けて継続することが重要となります。

手術治療

関節鏡手術

切れた腱板を修復するには手術によってつなげる必要があります。

レイクタウン整形外科病院では、肩関節鏡というカメラでの腱板修復を行なっており1cm程度の傷を数箇所開けて内視鏡手術を行います。
アンカーという糸がついたビスを骨に打ち込み、断裂した腱板に糸を通して骨に縫合します。アンカーは生体内で吸収され骨に置き換わる素材を用いることが多いです。

関節鏡手術は、大きく皮膚を切り肩を開いて行う一般的な手術と比較し、正常な筋肉を大きく剥がさないため、身体的な負担を抑え、術後の回復も早いなど多くのメリットがあります。腱板の縫合部に緊張が加わらないように術後3〜6週は外転装具を装着します。また術後には、時期に応じたリハビリテーションを行います。

人工関節手術

断裂の程度が大きいと、カメラを使った縫合が不可能となる場合があります。その際には反転型人工関節を行うことがあります。反転型人工関節は、骨頭と受け皿を逆にして設置することで腱板機能を補うものです。

腱板断裂によって腕が上がらなくなってしまったような方にはいい適応ですが、激しいスポーツをやる方や腕を高く上げるスポーツの方にはあまり適しているとは言えません

詳細については、腱板断裂ページをご参照ください。