画像の様に、凍結肩では正常肩に比べて関節包の広がりが悪いです。 凍結肩(五十肩、肩関節周囲炎)の症状は、時に軽微な外傷の繰り返しにより起きるとされていますが、多くは原因がありません。 「動かさなくてもしんしん痛い」「肩が上がらない」などの症状で来院されます。 担当医からのメッセージ 凍結肩(五十肩、肩関節周囲炎)の治療 およそ半年から2年ほどで自然経過されますが、7年経過しても半数の患者様に痛みや可動域制限が残っていた報告もありますので適切な治療を受けることが重要です。症状に合わせた日常生活指導、理学療法、補助的な薬物療法を行いますが、半年近く緩和されない頑固な痛み、可動域制限に対して手術を行うこともあります。 手術:外科的治療について 全身麻酔下に関節鏡を用いて固くなった関節包、靭帯などを剥がし関節の動きをスムーズにします。 1.関節包が縮んでいるため関節が広がりません。 2.固くなった関節包を切離していきます。 3.全周性に切離することで全方向の可動域を獲得できます。 術前 腕は肩より高くあがらないのが、ハッキリとわかります。 術後 術前画像と比べ可動域が広がっています。 担当医からのメッセージ 凍結肩(五十肩、肩関節周囲炎)の診療について 凍結肩は、一般的には四十肩、五十肩と言われるもので、肩の痛みで病院に来られる患者様の多くがこの疾患です。 「五十肩はほっとけば治る」と思われている方が多いのですが、実際に未治療だと痛みに長期間悩まされたり、腕の動かしづらさが残ってしまったりする場合があります。そのため、早めに内服薬や注射などの投薬や適切なリハビリテーション、必要に応じて手術を行うことで痛い期間を短くできたり、動きの制限が残らないようにしたりすることができます。 手術に関しては、皆さん初めはご希望されないことが多いのですが、手術後には「手術してよかった」「もっと早く手術すればよかった」という声も多く聞かれます。五十肩と思っていたら違う原因があったということもありますので、肩の痛みが続いている場合には一度受診されることをお勧めします。 肩関節関連記事 「肩が痛い」「腕が上がらない」などの症状がある場合は、なるべく早めにご受診いただくことをお奨めいたします。 凍結肩(五十肩、肩関節周囲炎) 腱板断裂 石灰沈着性腱炎 反復性肩関節脱臼