反復性肩関節脱臼

20歳代の外傷性脱臼は約8割が繰り返し生じ癖になりやすいです。
転倒やスポーツ時の接触などで関節が脱臼すると関節の受け皿と骨頭を繋ぐ靭帯が断裂したり、骨欠損を生じます。 脱臼が整復されるとある程度は動くようになりますが、ふとした時に再度脱臼してしまいます。例えば20歳代の外傷性脱臼は約8割が癖になります。 また、脱臼時に骨折を伴っていることも多くCT、MRIで初期評価することも重要です。

反復性肩関節脱臼の治療
反復性肩関節脱臼の治療は、理学療法も重要ですが脱臼する道ができてしまっているため手術治療が有効です。
手術:外科的治療について
全身麻酔下に外れてしまった靭帯を元の位置に引き上げ再度緊張をかけて縫合します。 大きな骨欠損がある場合にはそれを修復します。
関節の受け皿がおよそ1/4以上欠損してしまっている場合には関節鏡で修復するか通常の切開手術を行うか相談し治療方針を決定するようにします。
通常の関節鏡手術は1.5時間ほどで1週間の入院で行っていますが、学業などにより数泊で行うこともできます。3週間の三角巾固定が必要で、3ヶ月は安静にして頂きます。 術前に骨欠損量を評価し、断裂した靭帯を縫合します。
術前に骨欠損量を評価し、断裂した靭帯を縫合します。

反復性肩関節脱臼の診療について
反復性肩関節脱臼は、肩関節が簡単な動作で頻回に外れてしまう疾患です。
初回の脱臼であれば固定をして自然治癒を目指しますが、残念ながら反復性となってしまった場合には関節を支える組織が損傷して自然修復不能な状態となっているので手術を選択せざるを得ない場合が多いです。
当院では通常、関節鏡下関節唇形成術を選択することが多いですが、関節の状態やスポーツ種目の特性によっては、筋肉が付着した骨を移行する方法をお勧めする場合もあります。脱臼は非常に強い痛みを伴うだけでなく、外れることへの恐怖心から関節が硬くなったり、スポーツを全力でできないストレスが生じたりすることが問題となりますので、早めの治療をお勧めいたします。
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「肩が痛い」「腕が上がらない」などの症状がある場合は、なるべく早めにご受診いただくことをお奨めいたします。
石灰沈着性腱炎

急性期症状と慢性期症状に分けられます。
急性期症状は急激に発症し強い痛みがあるため「昨日から痛くて寝られないし、うごかせません。」と、来院されます。 レントゲンで腱板に石灰(カルシウム)が沈着していることが確認されます。
慢性期症状は自然吸収されなかった石灰が肩の動作時に引っかかり生じます。動かすとぶつかるようにコクンと痛い、痛くて動かせない、夜間痛む等の症状があります。


※石灰により腱が腫脹しぶつかり挟まる原因になっています。
担当医からのメッセージ石灰沈着性腱炎の治療
急性期の場合は安静、投薬、関節注射で改善が見られることが多いです。 慢性期の場合は通常数カ月の保存加療を行いますが、沈着した石灰の場所により明らかに屋根や靭帯とぶつかる場合は関節鏡で切開摘出を行います。
手術:外科的治療について
以前は関節鏡でも腱を大きく切開、切除し縫合していましたが、近年は更に低侵襲になるよう、関節鏡視下に炎症性の滑膜を切除した後、石灰部を同定し注射針などによる排出を行っています。 通常一時間弱、数日の入院で対応できます。
石灰沈着性腱炎の診療について
石灰沈着性腱炎は、肩の病気の中でも特に痛みが強く、激痛によって突然腕が全く動かせなくなることもある疾患です。石灰が沈着する原因ははっきりしていません。石灰があっても必ずしも悪さをするわけではありませんが、石灰部分に何らかの原因で炎症が生じると症状が出現します。炎症を抑えることが一番の治療になるため、安静、消炎鎮痛薬の内服、湿布などの対症療法が治療のメインとなります。また、肩への注射も比較的効果が高く、腕が上がらなかった方が、注射後に上がるようになって笑顔で帰られることもあります。また、超音波で石灰が吸引できることもあります。再発することもあり、頻回に繰り返す場合には関節鏡を用いて石灰を排出する手術を行うことがありますが、手術になる頻度はそれほど多くはありません。痛みを出さないためには普段の姿勢やストレッチが重要です。
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腱板断裂

腱板断裂は、理学療法で残存した腱板機能を改善させることにより症状が改善されることも多くあります。
腱板断裂の症状は、「動かさなくてもしんしん痛い」「肩が上がらない」などであり凍結肩との鑑別が必要です。 時に「五十肩」と診断され電気治療やマッサージ等を長期間受けている場合があります。
引っかかるような痛み、ごりごりする、力が伝わらないなどは腱板断裂に特徴的症状です。 いずれの場合であっても、早期診断早期治療をお奨めいたします。
担当医からのメッセージ腱板断裂の治療
理学療法で残存した腱板機能を改善させることにより症状が改善することも多いです。 痛みの強い時期は関節注射や投薬などで安静にし、病状に応じて可動域訓練や腱板機能訓練などの理学療法を行います。
断裂部分が挟み込まれたり、引っかかるような状態だと保存治療で改善しない事もあり手術治療も考慮されます。
手術:外科的治療について
全身麻酔下に関節鏡を用いて断裂した腱や固くなった靭帯、引っかかりの原因にもなる余計に尖った骨などを整え、後に吸収され骨に置き換わる糸付きアンカーを用いて腱板を縫合します。
腱板断裂は大きさ、断裂形態、痛みの原因が多様な病態です。当院では今までの実績を活かし多くは関節鏡での1時間半ほどの手術で良好な成績を得られていますが、時に断裂径が大きい場合は大腿の筋膜を移植する方法、人工関節置換を行うこともあります。
1.断裂した腱を元の位置に縫合していきます。(断裂した腱板を上腕骨大結節へ引っ張り縫う)


2.断裂した腱が修復されています。

術前

断裂した腱板断端が内側に引き込み上腕骨大結節との連続性がないため関節液が溜まり白くなっている。
術後

腱板が大結節と連続し関節液の貯留がない。
広範囲な腱板断裂の場合は修復できないこともあり人工関節が行われることがあります。
比較的早期に除痛と良好な関節機能が得られる安定した手術です。



腱板断裂の診療について
腱板断裂は、夜寝ている時や動かした時の痛みなどがみられ、年齢が上がってくると3人に1人は腱板断裂があるとも言われている比較的多い疾患です。
腱板とは、肩を覆っている4種類の筋肉の総称で、腕をあげたり肩の骨を良い位置に保ったりする役割などをしています。
腱板断裂自体は自然に治ることはありませんが、切れていても肩の使い方次第では無症状になることもありますので、まずはリハビリテーションによる治療をお勧めします。リハビリテーションで症状の改善がない場合には手術を行いますが、術後は1ヶ月弱の固定が必要となるので日常生活が少し大変になる期間があります。
しかし、関節鏡を用いた腱板修復術は満足度が高い手術と言われており、手術をして1年後には患者様から「手術したことを忘れるくらい調子いいです!」と言った嬉しい声も聞かれることも多いです。
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「肩が痛い」「腕が上がらない」などの症状がある場合は、なるべく早めにご受診いただくことをお奨めいたします。
凍結肩(五十肩、肩関節周囲炎)

画像の様に、凍結肩では正常肩に比べて関節包の広がりが悪いです。
凍結肩(五十肩、肩関節周囲炎)の症状は、時に軽微な外傷の繰り返しにより起きるとされていますが、多くは原因がありません。 「動かさなくてもしんしん痛い」「肩が上がらない」などの症状で来院されます。
担当医からのメッセージ凍結肩(五十肩、肩関節周囲炎)の治療
およそ半年から2年ほどで自然経過されますが、7年経過しても半数の患者様に痛みや可動域制限が残っていた報告もありますので適切な治療を受けることが重要です。症状に合わせた日常生活指導、理学療法、補助的な薬物療法を行いますが、半年近く緩和されない頑固な痛み、可動域制限に対して手術を行うこともあります。
手術:外科的治療について
全身麻酔下に関節鏡を用いて固くなった関節包、靭帯などを剥がし関節の動きをスムーズにします。




術前
腕は肩より高くあがらないのが、ハッキリとわかります。



術後
術前画像と比べ可動域が広がっています。



凍結肩(五十肩、肩関節周囲炎)の診療について
凍結肩は、一般的には四十肩、五十肩と言われるもので、肩の痛みで病院に来られる患者様の多くがこの疾患です。
「五十肩はほっとけば治る」と思われている方が多いのですが、実際に未治療だと痛みに長期間悩まされたり、腕の動かしづらさが残ってしまったりする場合があります。そのため、早めに内服薬や注射などの投薬や適切なリハビリテーション、必要に応じて手術を行うことで痛い期間を短くできたり、動きの制限が残らないようにしたりすることができます。
手術に関しては、皆さん初めはご希望されないことが多いのですが、手術後には「手術してよかった」「もっと早く手術すればよかった」という声も多く聞かれます。五十肩と思っていたら違う原因があったということもありますので、肩の痛みが続いている場合には一度受診されることをお勧めします。
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「肩が痛い」「腕が上がらない」などの症状がある場合は、なるべく早めにご受診いただくことをお奨めいたします。
南越谷駅方面からお越しの方
南越谷駅(獨協医科大学越谷病院)方面からお越しの方は、こちらのアクセスをお読みください。
1.南越谷駅前ロータリーから北に進みます。
2.獨協医科大学越谷病院を過ぎたら、すぐを右折し県道49号線に向かいます。
3.大学病院入口(交差点)を左折し、県道49号線に入ります。
4.瓦曽根二丁目南(交差点)を右折し県道52号線に入り3㎞ほど直進します。
5.レイクタウン北(交差点)を右折し東埼玉道路/国道4号線に入り800m進むとレイクタウン整形外科病院に到着です。
カーナビの場合、掲載住所で検索できないことがございます。
その際には区画整理前の旧住所である「越谷市東町4-222-2」でご検索ください。
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外環三郷ICからお越しの方
外環三郷ICからお越しの方は、こちらのアクセスをお読みください。
1.常磐自動車道、柏方面からお越しの場合は、「三郷IC出口(西)」より、高速直下を走ります「国道298号線」へ降りてください。
2.草加方面へ2km進み、「八条白鳥」の交差点を右折し、東埼玉道路へお入りください。
3.東埼玉道路を北上し、3kmほど先に、右手にレイクタウン整形外科病院が見え、左手にイオンレイクタウン(kaze)が見えます。
4.武蔵野線高架下を越えましたら、すぐにUターン専用道路がありますので、Uターンしてください。
5.レイクタウン整形外科病院に到着です。
カーナビの場合、掲載住所で検索できないことがございます。
その際には区画整理前の旧住所である「越谷市東町4-222-2」でご検索ください。
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岩槻方面からお越しの方
岩槻(さいたま市岩槻区役所)方面からお越しの方は、こちらのアクセスをお読みください。
1.南西に進み、県道399号線に向かいます。
2.左折して県道399号線に入ります。
3.岩槻駅入口(交差点)を直進し、そのまま県道324号線へ進みます。( 4分程度/1.2 km)
4.東方向に県道324号線を進んで国道16号線に向かいます。
5.東町二丁目(交差点)を直進し、そのまま県道48号線を7.6㎞進みます。
6.南荻島(交差点)を直進し、そのまま県道52号線へ進みます。右折し県道49号線に入ります。
7.瓦曽根二丁目南(交差点) を左折し、県道52号線を3.0 kmほど直進します。
8.レイクタウン北(交差点)を右折し、東埼玉道路/国道4号線 に入ります。
9.東埼玉道路/国道4号線 を800m進むとレイクタウン整形外科病院に到着です。
カーナビの場合、掲載住所で検索できないことがございます。
その際には区画整理前の旧住所である「越谷市東町4-222-2」でご検索ください。
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臨時駐車場のご案内
カーナビの場合、掲載住所で検索できないことがございます。
その際には区画整理前の旧住所である「越谷市東町4-222-2」でご検索ください。
レイクタウン整形外科病院から臨時駐車場のご案内
臨時駐車場を2か所ご用意いたしました。
臨時駐車場所在地に記載しました臨時駐車場へご駐車いただきますようお願い申し上げます。
なお、診療時間外は閉鎖されるため時間外のご利用はお控えください。
工事期間中は患者様に大変なご不便とご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
臨時駐車場所在地
臨時駐車場が満車の際には、下記の職員専用駐車場をご利用ください。

当院から職員駐車場までのご案内
1.レイクタウン整形外科病院を背に右手へお進みください。
2.道なりに進んだ先の信号を左折します。
3.東埼玉道路を直進し、高架(武蔵野線)を過ぎたすぐのT字路を左折してください。
4.一つ目の交差点を左折してください。
5.進行方向左手に職員専用駐車場がございます。
6.駐車場入り口から向かって右側(レイクタウン整形外科病院側)の駐車スペースにご駐車ください。
※左側(Honda側)のスペースには駐車しないようご注意ください。
職員専用駐車場から当院までのご案内
1.駐車場を背に右手へお進みください。
2.一つ目の交差点を右折してください。
3.T字路を左折してください。
4.東埼玉道路を直進し、1つ目の交差点を左折します。
5.せいたかしぎ橋を超え、一つ目の信号(東町5丁目)を左折してください。
6.平方東京線を直進し、高架(武蔵野線)を超えた1つ目の信号を左折してください。
7.200mほど直進した1つ目の十字路を左折してください。
8.レイクタウン整形外科病院に到着です。
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外環草加ICからお越しの方
外環草加ICからお越しの方は、こちらのアクセスをお読みください。
1.「草加IC」より、高速直下を走ります「国道298号線」へ降りてください。
2.三郷方面へ4km進み、「八条白鳥」の交差点を左折し、東埼玉道路へお入りください。
3.東埼玉道路を北上し、3kmほど先に、右手にレイクタウン整形外科病院が見え、左手にイオンレイクタウン(kaze)が見えます。
4.武蔵野線高架下を越えましたら、すぐにUターン専用道路がありますので、Uターンしてください。
5.レイクタウン整形外科病院に到着です。
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その際には区画整理前の旧住所である「越谷市東町4-222-2」でご検索ください。
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8月 糖尿病を予防するには?

~栄養科通信~ 2021年8月号NO.8
糖尿病に関係する検査値
検査項目 | 糖尿病型 | 正常型 |
空腹時血糖 | 126mg/dl以上 | 110mg/dl未満 |
随時血糖 | 120mg/dl以上 | ― |
※境界型:空腹時血糖値が110~125mg/dL
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
過去1~2か月の血糖値の平均を反映する値
基準範囲内 | 保健指導レベル | 受診推奨レベル |
~5.5% | 5.6~6.4% | 6.5%~ |
糖尿病が進行すると、神経障害や壊死など重大な合併症につながる恐れがあります。検診の数値が気になる方は、かかりつけ医に相談を!
当院の栄養科では「栄養相談」も積極的に行っていますので、遠慮なくお問い合わせください。
糖尿病を予防する3つの食習慣
①自分の体格をふりかえってみよう!
肥満は糖尿病になる原因のひとつとされています。肥満の判定にはBMI(体格指数)が用いられます。計算してみましょう!

BMI | 体格 |
18.5未満 | 痩せ |
18.5~25未満 | 普通 |
25以上 | 肥満 |
②主食、主菜、副菜がそろった食事を心がけよう!
バランスのよい食事をすることで栄養がまんべんなくとれます。


③食事はベジファーストを意識しよう!
野菜から食べると血糖値の上昇が緩やかになります。
調理がめんどうくさいときは、カット野菜や調理済み食品を取り入れるのもおすすめです。

さっぱりトマトサラダ
材料
- トマト 中1個
- 紫玉ねぎ 1/2個
A調味料
- 調味酢 大さじ3
- しょうゆ 小さじ2
- 塩 ひとつまみ
作り方
- トマトは食べやすい大きさに切る。
- 紫玉ねぎはみじん切りにします。
- Aの調味料を混ぜます。
- 2と3合わせます。
- 4をトマトにかければ出来上がりです。
