
未来ある「あし(下肢)」の治療の症例です。
- 患者様のご年齢、体力、状態、性別など様々な条件により、個人差がありますので、必ずしも同じ結果が得られるわけではございません。
- 手術症例は、保険適応で行っている診療です。
スキーがしたい!
久しぶりにスキーができる?!
「膝の痛みのため、連続1時間立つ、歩くができない、日常生活が辛い。」 あし(下肢)が、よくなったら趣味であった「スキーがしたい!」という患者様の想いが高位脛骨骨切り術を行うきっかけになりました。

当院受診までの経緯
5年前(2014年ころ)から徐々に歩くことが辛く、他院で筋力をつけるためのリハビリなどを行っていらっしゃいました。 最近(※来院時2019年7月)では、膝が痛く、日常生活に支障をきたす状態(台所仕事など、家事をすることが辛い)までになり当院に受診されました。
手術前の状態と手術計画と結果
術前 | ||
---|---|---|
右 | 左 | |
FTA | 161 | 161 |
MPTA | 90 | 90 |
mLDFA | 93 | 93 |
脛骨後傾角 | 9 | 9 |
手術計画 | 矯正角度(予定)
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矯正角度(予定)
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- 術後1~1年半程度後に金属プレートを外しますが、患者様の予後により金属プレートを外す時期が異なります。
手術の状況
- 手術実行:2019年8月
- 手術回数:1回 / 入院日数:3週間
- 両側同日の手術対応
※患者様ご自身が元々の筋力量があり、体を動かすことへの抵抗がなかったためリハビリを積極的にされていたため予後の成績が非常によく入院日数も短い方でした。
手術前レントゲン画像・膝軟骨内視鏡画像
レントゲン画像からも分かるように、日本人には珍しく、欧米人に多い骨格のX脚の患者様です。

CT画像の白く映っているところは水が溜まっています。 また、膝軟骨が、ほとんど無い状態であるため骨が保護されていない状態です。赤丸箇所の半透明部は軟骨が残っている状態です(膝内側は軟骨が存在しています)。


膝関節の状態が正常な場合、膝関節表面は軟骨で覆われており軟骨の働きにより衝撃を和らげ、関節の動きは滑らかです。 軟骨の大幅な減少により骨と骨の間のクッションの役割がないため骨同志が直接ぶつかり痛みを伴うようになります。 また、摩耗した関節軟骨を元の完全な形に修復する方法は、現在のところ、ありません。 しかし、選択された手術法や術後の状態によっては、2次的に軟骨の再生が期待できます。
術後4ヶ月
術後4ヶ月のレントゲン画像ではプレートで補強した骨が既にくっついている状況にあります。 骨切りを行った骨はプレートで補強し、このプレートは、術後1年程度で取り外します。 骨がくっついても、筋力を落とさないために補強用プレートを1~1年半程度付けておきます。

担当医師コメント
手術により、骨の位置が正しく配置されたことで脚の形が綺麗なり喜んでいただけたと思います。 歩くことは、もちろんですが、元々、モーグルスキーをされていた患者様でしたので、スキーなどのスポーツも積極的に楽しんでいただきたいです。