~栄養科通信~ 2019年1月号 No.19
2019年新しい年を迎えました。今年も栄養科通信にて食の悩みや疑問についてお伝えしていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
数年前から体重が減るなどの理由から炭水化物(糖質)の量を減らすダイエットが流行り、ご飯など主食の量を減らす方が増えています。
今回は炭水化物の役割についてお伝えしたいと思います。

炭水化物について
糖質と食物繊維が組み合わさったものを炭水化物と呼んでいます。
炭水化物を多く含む食品は・・・?
ご飯、パン類、うどんやそばなどの麺類、もち、芋類などです。

糖質の役割は?
炭水化物から摂取した糖質は体内でエネルギーとなり、私たちの身体や脳を動かすエネルギーとして利用されています。
エネルギーが作られるなくなると生命活動の維持ができなくなるため、糖質は身体の中で非常に重要な栄養素です。
体内で余った糖質は筋肉や肝臓に貯蔵されますが、許容量をこえると脂肪となるので、過剰な摂取は肥満の原因です。
逆に糖質の量が少ないと貯蔵していた筋肉や肝臓から分解されるので筋肉量が減ります。
筋肉量が減ることで一時的に体重は減少しますが、同時に基礎代謝も減少します。
基礎代謝が減少するとエネルギーが消費されにくくなるので、体重が増える原因に繋がります。
食物繊維の役割は?
食物繊維は体内では消化ができず排出されます。
水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」の2種類に分けられます。
水溶性食物繊維は、高血糖の抑制効果や高血圧や脂質異常症の予防、腸内環境を整える働きをします。
不溶性食物繊維は、水分を吸収して腸を刺激するので便の排泄を促す効果があります。
炭水化物の量を減らしている方は、食物繊維の摂取量が少なくなるので便秘や腸内環境が悪化しやすいといわれています。
炭水化物の量を減らす前に気を付けたい2つの食事ポイント!
①ジュースやお菓子などの量を減らそう
お菓子やジュースなどの加糖飲料には、糖質が多く含まれています。
間食や加糖入りの飲料を摂取している場合は、食事を減らす前にお菓子やジュースなどを優先に減らしましょう。

②食べ合わせに気を付けましょう
糖質が体内でエネルギーに変換されるにはビタミンB1が必要です。
ビタミンB1が不足すると食欲低下や体が疲れやすくなります。
おにぎりだけ、パンだけと主食のみの食事をしている場合は、以下が整うような食事をしましょう。
- 主食(ご飯、ぱん、麺など)
- 主菜(肉、魚、卵、大豆製品など)・
- 副菜(野菜、海藻類、きのこ類)
ビタミンB1が多い食品
豚肉、大豆、玄米、そば、うなぎ、など
主食量を減らしているのに体重が減らない、リバウンドしたなどという声を多く聞きます。むやみに食事を減らすのは危険な場合もあるので気を付けましょう。

今月のレシピ:豚肉と豆乳のスープ
材料(4人分)
- 豚肉こま切れ 100g
- 白菜 1/8個
- 人参 1/4個
- ねぎ 1/4個
- 豆乳 200g
- 塩 少々
あわせ調味料A
- 鶏ガラの素 大さじ1
- 味噌 大さじ1
- 豆板醤 小さじ1/3
- 水 400㎖
作り方
- 人参は1cm幅の短冊きり、ねぎは小口輪切り、白菜と豚肉は食べやすい大きさに切る。
- 鍋に人参、白菜、豚肉、水を入れたら蓋をして沸騰するまで強火にかける。
- 沸騰したら弱火にして、あわせ調味料Aを加え野菜に火が通るまで煮込む。
- 野菜に火が通ったら、ねぎ、豆乳を加えます。
- 最後に塩で味を整えたら完成です。
