

~栄養科通信~ 2018年11月号No.17
みなさんは、週に何回ほど魚を食べていますか?
近年では、魚を料理するのが大変など様々な理由により魚を食べる機会が減っています。
逆に肉類を食べる機会が増えていき、中性脂肪やコレステロールなどの値が高くなり、生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症など)と呼ばれる病の発症率が増加しています。 そこで今回は「魚の栄養」についてお伝えします。

魚の栄養について
魚、肉、卵、大豆製品などは、主にたんぱく質が多い食品です。
これらの食材を使用した料理を主菜と呼びます。

たんぱく質の役割は?
身体の筋肉や臓器、髪、爪などの身体の組織を構成する 役割をしています。
毎食欠かさず主菜を1皿たべるようにしましょう。
魚に多く含まれている栄養素は?
さんま、さば、いわしなどの青魚に豊富に含まれている栄養素DHAとEPAです。これらは体内で作ることができないので、食事から栄養を身体に補給しなければなりません。
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)とは?
魚の脂に多く含まれる不飽和脂肪酸の一種です。
不飽和脂肪酸とは?
主に魚や大豆製品などの植物性の食品に多く含まれ、植物油やオリーブオイルなど常温でも固まらない液体の脂です。
不飽和脂肪酸の種類の中には血液をサラサラにする役割や中性脂肪を減らす効果などがあるといわれています。

DHAの作用とは?
DHAは主に脳を構成する役割があるため、記憶力や学習能力が高まるといわれています。

EPAの作用とは?
EPAは血栓を防ぎ血液をサラサラにする効果から中性脂肪やコレステロール値を下げる働きがあり生活習慣病の予防に繋がるといわれています。

魚にはカルシウムが豊富?
しらす、イワシなど、骨ごと食べれる魚には、骨や歯などを構成するカルシウムが豊富です。
魚だけ食べればいいの?
他の食材にも身体に必要な栄養素を多く含むため、「魚だけを食べる」のではなく「色々な食材を食べる」ように意識しましょう。
今月のおすすめ食材 【鯖】
鯖には消化機能を高める働きがあり、疲労回復効果が期待されます。
脳の活性を高めるDHAや血液をサラサラにするEPAが豊富です。他にも鉄やビタミンA、B、Dが豊富で血行促進や老化防止などの効果が期待できます。
季節の変わり目や体調を崩している時は、アレルギー反応 を起こすことがあるので気をつけましょう。
DHAとEPAを無駄なく摂取する方法
旬な魚を食べる

旬な魚は新鮮であり栄養価が高いです。
新鮮な魚の見分け方は、目が透明で光っているもの、身に弾力が あるものを選びましょう。
刺身で食べる

DHAやEPAは、焼く・煮る・揚げるなどの調理法により、魚から流れ出てしまうので、刺身など生のまま食べる のが良いと言われています。
加熱する場合は調理法に気を付けよう

加熱調理する時は、DHAやEPAが流れ出ないように煮魚やホイル焼きなどの調理法がオススメです。
魚を焼く時はグリルなどを使用すると脂が落ちてしまうのでフライパンなどで焼き流れ出た脂は ソースなどに使用しましょう。
酸化を防ぐ食材と一緒に食べる

DHAやEPAは酸化しやすいので、酸化を防ぐ作用のある 緑黄色野菜、ごま、レモン、酢などを活用して食べましょう。
魚の缶詰を活用する

魚の缶詰の汁にはDHAやEPAが多く含まれているので、汁まで上手に使いましょう。
今月のおすすめレシピ:鯖のチーズ焼き
材料:2人分
- 鯖の水煮缶 1缶
- 玉葱 1/2個
- しめじ 1/2パック
- とろけるチーズ 30g
- 味噌 大さじ1.5
- マヨネーズ 大さじ1

作り方
- 玉ねぎは薄くスライスし、しめじは石づきを落とし手でほぐす。
- ボールに鯖缶の汁、味噌、マヨネーズを加えよく混ぜる。
- 鯖は食べやすい大きさにほぐしておく。
- 耐熱容器にほぐした鯖を入れ、その上に玉葱としめじをのせ、2の調味料を全体にかける。
- 最後にチーズを上にのせオーブン200℃で15~20分加熱する。
- 野菜に火が通ったら完成です。