~栄養科通信~ 2018年10月号No.16 10/20は世界骨粗しょう症デーです。 今月は骨粗しょう症予防にはかかせない【カルシウム】についてお伝えしていきます。 骨粗しょう症予防には『カルシウムをしっかり摂りましょう』といわれることが多いと思います。 いったいカルシウムは何に?どれだけ?食べればいいのか・・・一緒に見ていきましょう。 カルシウムについて 体内に吸収されたカルシウムの99%は骨に存在をしていて、このカルシウムが骨や歯を作る元となっています。(貯蔵カルシウム) 残りの1%は血液や細胞内に存在し、身体の機能を調整する役割を持っています。(機能カルシウム) カルシウムは骨や歯をつくる重要な役割を担う中で、身体の調整を行う働きもある欠かせない栄養素です。 一日に必要なカルシウム量は? 年齢によって必要なカルシウム量は変わってきます。 カルシウムは一日に最低でも650㎎を摂ることを国から勧められています。 骨粗しょう症の予防には一日に700~800㎎のカルシウムを摂るのを目標とされています。 カルシウムの摂取目安量 男性女性 ~17歳1000㎎以上800㎎以上18~29歳800㎎650㎎30~49歳650㎎650㎎50歳~ 700㎎650㎎ カルシウムが不足すると・・・ 食事でのカルシウムの摂取量が少なくなると、機能カルシウム量が減っていきます。 血液や細胞内のカルシウム不足で体の調節ができなくならないよう、骨にあるカルシウムが溶けだして血液や細胞内に補充されます。そのため、骨の中のカルシウム量がだんだんと減っていき骨がもろくなり、 軽い衝撃でも折れやすくなってしまいます。 カルシウム不足の原因は? 不足の理由としてあげられるのは、カルシウムは身体に吸収されにくい栄養素だということです。 腸内で取り込まれる量が食事でとったカルシウムの1/3程度といわれています。また、カルシウムは毎日の尿や便、汗などから身体の外に出てしまっているのも原因の一つです。約100~200㎎のカルシウムが毎日体外に排出 されています。 カルシウムは何に多く含まれる? カルシウムが多く含まれる代表的な食品は【牛乳】です。 コップ1杯で約220㎎のカルシウムが含まれています。 ではその牛乳を3~4杯のめば一日のカルシウム摂れるのでは?と思いがちですが、牛乳の飲みすぎはかえってカルシウムの吸収を 妨げてしまいます。 まずは1日3食、食べることが大切です。 カルシウムの多い食材をうまく取り入れながら、いろんな食材を まんべんなく食べましょう。 カルシウムを多く含む主な食品の目安 乳製品 プロセスチーズ(2枚):252㎎ 牛乳(1杯):220㎎ ヨーグルト(100g):120㎎ 大豆製品 木綿豆腐(1/2丁):180㎎ 厚揚げ(1/2個):180㎎ 油揚げ(1枚):75㎎ 小魚・海藻類 ひじき(小鉢1杯/85g):140㎎ サクラエビ(大さじ2杯):120㎎ イワシ丸干し(1尾):114㎎ 野菜 小松菜(70g):105㎎ チンゲン菜(70g):84㎎ 切干大根(40g):54㎎ カルシウムを効率よく吸収するには・・・ カルシウムは体内に吸収されにくい栄養素なので吸収を助けてくれる栄養素と一緒に摂るようにしましょう。 たんぱく質 アミノ酸(タンパク質の構成成分)がカルシウムの吸収を促進させます。 肉や魚、卵、大豆製品等に含まれます。 ビタミンD ビタミンDはカルシウムを運ぶ働きがあります。 腸管でのカルシウムの吸収量を促進すると共に、骨へカルシウムを運ぶ働きがあります。 鮭や鯖といった魚類、しいたけ・しめじなどのキノコ類に多く含まれます。 また、ビタミンDは日光を浴びる事によって体の中でも作られる栄養素です。 マグネシウム 骨や歯の形成、身体を動かすエネルギーを作るはたらきがあります。 穀類、芋類、豆類、種実類、野菜類、海藻類、魚介類など様々な食材に多く含まれています。そのなかで一番多く含まれているのが野菜類です。 ビタミンC カルシウムが定着する場所を作っているコラーゲンの合成を促進します。 野菜(パプリカ、ブロッコリー、カリフラワーなど)や果物(かんきつ類、 アセロラ、柿など)に多く含まれています。 カルシム摂取する際のおすすめ食材:桜えび 100gの桜えびに含まれるカルシウム量は690mgと圧倒的な多さです。 共に含まれるマグネシウムの量も多く、骨の強化に貢献するので、骨粗しょう症や腰痛に効果的です。 その他、タウリン、キチン、アスラキサンチン、ビタミンEも豊富なので、 動脈硬化や高血圧などの生活習慣病やガンにも効果的です。 今月のおすすめレシピ:干し海老とさつま揚げの炒め物 材料:1人分 干しエビ 1/3袋 生シイタケ 1個 ピーマン 1/2個 さつまあげ 60g/2枚弱 しょうゆ 小さじ1/3 塩・こしょう 少々 サラダ油 小さじ1/3 作り方 ピーマン、しいたけ、さつまあげを細切りにする。 フライパンに油をひき、材料をすべて一緒に炒める。 塩・こしょうをふり、しょうゆを加え味を調えで完成です。