~栄養科通信~ 2018年12月号No.18
食べ物を気管やのどに詰まらせてしまう誤嚥(ごえん)や窒息の事故が増えてきています。
【食事中にむせる】【飲み込みずらい】といった症状は噛む力・飲みこむ力が衰えているサインです。 食事で噛む力・飲み込む力を鍛えていきましょう。
噛む力・飲み込む力が衰えるとどうなるの?
噛む・飲み込む力が弱くなると、食が細くなって体重が減り、体力が落ちるという悪循環に陥ります。
飲み込んだものが気管を通り、肺に入ると【誤嚥】を招くこともあります。
誤嚥を起こすと肺炎につながることもあります。いわゆる誤嚥性肺炎です。噛む力・飲み込む力に意識を向け、このような病気を未然に防ぎましょう。

【噛んで食べる】ことは・・・
噛んで食べることは、体内に必要な栄養素を取り込むだけではなく、味覚や嗅覚、視覚などが脳を刺激します。
それによって唾液が分泌されたり、消化に必要な胃や腸が活発に動いてくれるので、食欲も増します。また、噛むことは脳を活性化する以外にも、免疫力を高める効果もあるので、噛んで食べるということは健康寿命を延ばして老いにくい身体をつくる ことにつながっていきます。
噛みにくいもの・飲み込みにくいもの
噛みにくいもの | 肉、野菜(特に葉物)など、硬い繊維が残っているもの |
飲み込みにくいもの | ・ボロボロ状のもの→そぼろ・チャーハンなど ・ぱさぱさしたもの→ゆで卵・ふかし芋など水分がすくないもの ・ヒラヒラ状のもの→葉野菜・のりなど、上あごにぺたっとくっつきやすいもの |

噛みにくいもの、飲み込みにくいものは切り方や調理方法を工夫することで 食べやすくなります。
- 切り込みを入れる、小さめにカットする
- 調理法をゆでる、蒸すにする
- 卵でとじたり、あんかけにしたり、とろみをつける
噛む力を鍛える食べ物
日頃の食事の中で、まずは下の表から一品を取り入れて噛む力を 鍛えていきましょう。
- 野菜 :れんこん、ごぼう、たけのこ など
- 果物 :りんご、柿 など
- 魚介類:いか、たこ、貝類 など
- 肉類 :かたまり肉
- 主食 :玄米、全粒粉のパン など その他:こんにゃく、油揚げ など

噛む力が弱ってきたなと感じたら必要以上の負担をかけないように噛みにくいものを 避けた方が良いときもありますので、無理に食べるのは避けましょう。
今月のおすすめレシピ:白身魚と野菜の生姜あんかけ
材料:2人分
- 白身魚(切り身)2切れ
- 茄子 1/2本
- カボチャ 1/8個
- れんこん 1/4本
- ピーマン 1/2個
- 水溶き片栗粉 適量
- 片栗粉 適量
- サラダ油 適量
★
- 料理酒 少量
- 塩 少量
☆
- だし汁 200cc
- 塩 小さじ1/2
- 醤油 大さじ2
- 砂糖 大さじ1
- 料理酒 大さじ1
- おろし生姜 小さじ1
作り方
- 魚をひと口大(少し小さ目だと食べやすい)に切り★をかけて少し置く。
- 茄子は乱切り、かぼちゃは1㎝程、れんこんは0.5㎝の薄切りにし、あく抜きをする。ピーマンは縦に4分割する。
- ☆の調味料を鍋で煮立たせる。
- おろし生姜を加えて、かき混ぜながら水溶き片栗粉を加える。
- どろっとした感じになるまでとろみをつける。
- 白身魚と野菜の水気をふき取り、白身魚には片栗粉をまぶす。
- サラダ油を180℃に温め、野菜と白身魚を揚げる。
- 揚がった野菜と白身魚の油を切って、器に盛り付ける。
- 温かい生姜あんかけをかけ、最後にピーマンを飾る。

※写真は4人分になります。